何かを始めるならソコソコの丘を目指そう-【学びのコツ】学習曲線をハックせよ!

何かを始めるならソコソコの丘を目指そう – 完璧主義を捨てて学び続ける方法

何かを始めるならソコソコの丘を目指そう

完璧主義が新しいことを始める障壁になっていませんか?「ソコソコの丘」という概念を通じて、学習における新しいアプローチをご提案します。

📖 学習体験から見えた「点と点がつながる瞬間」

プログラミング学習の体験

プログラミングを学んだ際、しばらくは五里霧中で自分が何をやっているのかさえわからない期間が続きました。

しかし、そのあと点と点がつながって、全体の仕組みがぼんやりと見えてきたタイミングがありました。

語学学習

中国語の学習では、初めの頃は単語を一つ覚えるたびに会話ができるようになって上達を実感。

最近は新しい知識が蓄積される感覚が薄れ、なんとなく停滞。しかし、中国語をマスターするのに必要な時間と努力が見えてきた

🏔️ 「ソコソコ」という状態を再考する

「ソコソコ」とは、十分とは言えないまでも満足できる程度のことを指します。

完全に満足できるわけではないけれど、かといって大きな不満を抱いているわけでもない状態です。

🎯 新しい提案

何かを始めたいなら、まずは少しやってみて、全体像が見えてから、さらに先に進むかどうかを考える

その見晴らしの良いところが「ソコソコの丘」です

📈 学習曲線と「ソコソコの丘」

ソコソコの丘 = 学習曲線の最初の踊り場

学習時間 習熟度 ソコソコの丘 初期学習段階 上級習得段階

学ぶ時間や労力とその成果の関係を表す学習曲線は、いくつかの形に分類されますが、いずれも一直線に上昇することは稀で、殆どの場合、フラットな踊り場が出現します。

プラトー効果とも呼ばれるこの停滞期は、ネガティブに捉えられることが多く、どうやったらここを抜け出せるか、といった文脈で語られることが多いのですが、やっていることの全体像がある程度見えてくるタイミングでもあります

ソコソコの丘で脳内で起こっていること

1
細かい作業を覚える段階
脳内ではバラバラの情報を手探りで処理。無駄が多く、上達も遅く感じる
2
全体構造を組み直す段階
脳はよく使う回路を強化し、いらないルートを削りながら、より効率的な”配線”に切り替え

点で覚えていた知識や感覚が、線や面として結びつき始め、「全体像がぼんやりと見える」という感覚が生まれます。

※ 一見学習の進歩が止まったように感じる時期でも、脳内では新しい知識が統合され、より深い記憶として整理されています(Brown et al., 2014)

✅ ソコソコの丘到達チェックリスト

主観的なチェックポイント

今学んでいることの全体像がぼんやりとでも見えてきたと感じるか
ある程度そのことを習得したと感じる反面、学べば学ぶほど知らないことが出てくると感じるか

客観的なチェックポイント

学んでいることの基礎的な構造を他人に伝えることが出来るか

🎯 重要なポイント

ソコソコの丘を目指す者にとって、成功や失敗はありません

だからこそ成果を気にせずに一気に進むことができます

💼 ビジネスへの応用

新規事業での活用法

新しい事業を始める判断は、外部環境、内部環境の様々な要素を考慮する必要があり、それらは殆ど無限にあるため、見通しを立てることは非常に困難です。

ソコソコの丘アプローチ:

  1. 新規事業を失敗と成功の基準から切り離す
  2. 判断のための基礎情報収集として「ソコソコの丘」を目指す
  3. 初期投資は最小限とし、撤退時はサンクコストとして切り捨て
  4. 主観的・客観的成果を検討し、進むか戻るかを判断

このような方法により、経営者の心理的負担を軽減し、「行くも地獄、戻るも地獄」という状況になる前に、賢明な経営判断ができます。

🌟 まとめ

あなたがもしソコソコの丘に立っていると感じたなら、まだ成功も失敗もしていません

丘の上で少し休んだら、その先に進むかどうかをゆっくりと考えてみてください。

そして、もしまだその景色が見えないようなら、あなたはまだソコソコの丘にたどり着いていないのかもしれません。もう少しだけ頑張ってみてはどうでしょうか

『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』

Brown et al. (2014) 学習と記憶の統合プロセス研究