何かを始めるならソコソコの丘を目指そう
完璧主義が新しいことを始める障壁になっていませんか?「ソコソコの丘」という概念を通じて、学習における新しいアプローチをご提案します。
📖 学習体験から見えた「点と点がつながる瞬間」
プログラミングを学んだ際、しばらくは五里霧中で自分が何をやっているのかさえわからない期間が続きました。
しかし、そのあと点と点がつながって、全体の仕組みがぼんやりと見えてきたタイミングがありました。
中国語の学習では、初めの頃は単語を一つ覚えるたびに会話ができるようになって上達を実感。
最近は新しい知識が蓄積される感覚が薄れ、なんとなく停滞。しかし、中国語をマスターするのに必要な時間と努力が見えてきた。
🏔️ 「ソコソコ」という状態を再考する
「ソコソコ」とは、十分とは言えないまでも満足できる程度のことを指します。
完全に満足できるわけではないけれど、かといって大きな不満を抱いているわけでもない状態です。
🎯 新しい提案
何かを始めたいなら、まずは少しやってみて、全体像が見えてから、さらに先に進むかどうかを考える
その見晴らしの良いところが「ソコソコの丘」です
📈 学習曲線と「ソコソコの丘」
ソコソコの丘 = 学習曲線の最初の踊り場
学ぶ時間や労力とその成果の関係を表す学習曲線は、いくつかの形に分類されますが、いずれも一直線に上昇することは稀で、殆どの場合、フラットな踊り場が出現します。
ソコソコの丘で脳内で起こっていること
脳内ではバラバラの情報を手探りで処理。無駄が多く、上達も遅く感じる
脳はよく使う回路を強化し、いらないルートを削りながら、より効率的な”配線”に切り替え
点で覚えていた知識や感覚が、線や面として結びつき始め、「全体像がぼんやりと見える」という感覚が生まれます。
※ 一見学習の進歩が止まったように感じる時期でも、脳内では新しい知識が統合され、より深い記憶として整理されています(Brown et al., 2014)
✅ ソコソコの丘到達チェックリスト
主観的なチェックポイント
客観的なチェックポイント
🎯 重要なポイント
ソコソコの丘を目指す者にとって、成功や失敗はありません
だからこそ成果を気にせずに一気に進むことができます
💼 ビジネスへの応用
新規事業での活用法
新しい事業を始める判断は、外部環境、内部環境の様々な要素を考慮する必要があり、それらは殆ど無限にあるため、見通しを立てることは非常に困難です。
ソコソコの丘アプローチ:
- 新規事業を失敗と成功の基準から切り離す
- 判断のための基礎情報収集として「ソコソコの丘」を目指す
- 初期投資は最小限とし、撤退時はサンクコストとして切り捨て
- 主観的・客観的成果を検討し、進むか戻るかを判断
このような方法により、経営者の心理的負担を軽減し、「行くも地獄、戻るも地獄」という状況になる前に、賢明な経営判断ができます。
🌟 まとめ
あなたがもしソコソコの丘に立っていると感じたなら、まだ成功も失敗もしていません。
丘の上で少し休んだら、その先に進むかどうかをゆっくりと考えてみてください。
そして、もしまだその景色が見えないようなら、あなたはまだソコソコの丘にたどり着いていないのかもしれません。もう少しだけ頑張ってみてはどうでしょうか。
『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』
Brown et al. (2014) 学習と記憶の統合プロセス研究